ランボーの詩「バーゲン」

思想・処世術
スポンサーリンク

ランボーは早熟の天才詩人で、早いうちに詩人として足を洗い、その後は世界各地を放浪して歩きました。

そんなランボーがエチオピアのハラルで商売人をやっていた時の詩です。

バーゲン

売り払え、ユダヤ人も売ったことのないもの、貴族も罪人も味わったことのないもの、群衆の呪われた愛、地獄の廉直も知らないもの、時間も科学も認識しえないもの。
声の再構成、合唱とオーケストラの全エネルギーによる友愛の覚醒、その瞬間の適用だ。我らの感覚を解き放つ唯一のチャンスだよ!
売り払え、値段のつかない肉体だ、あらゆる民族、あらゆる世界、あらゆる性、あらゆる系統の外にある肉体だ!歩みにつれて富は迸る!無鑑査ダイヤのバーゲンだ!
売り払え、マッスのためにはアナーキーを、卓越したアマチュアには抑制しがたい満足を、信者と愛人には無惨な死を!
売り払え、居住と移住を、スポーツ、夢幻、完璧な慰安を、それの生み出す響きと連続、その未来を!
売り払え、計算の応用、前代未聞のハーモニーの跳躍を。思いも寄らない掘り出し物と支払い期限、即座の所有だよ。

鈴村和成訳
タイトルとURLをコピーしました