イノベーションについての注目すべき論考「野生化するイノベーション」レビュー

思想・処世術
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最近、時代の移ろいはどんどん目まぐるしくなっております。

その大きな原因がイノベーションの逓増化。

そこでたまたま目にして、為になることがなかなか多かった、一つの著作をレビュー紹介します。

清水洋著「野生化するイノベーション~日本経済「失われた20年」を超える」新潮選書。

イノベーションというものがどういう“生き物”なのか

日本社会はどう対応すればよいのか

について見てまいりましょう。


「野生化するイノベーション」レビュー

イノベーションにまつわる法則性を紹介

イノベーションは野生化する

イノベーションは移動する

イノベーションは飼いならせない

イノベーションは破壊する

イノベーションは逓増する

イノベーションは群生化する

イノベーションのインパクトは時間差で来る

イノベーションへの抵抗がイノベーションの生産性を下げる

少しだけ紹介すると、たとえば②

イノベーションはひとたび起こると、地理的な限定を受けません。

どんどん拡散してゆきます。

インターネットも、核兵器もカラオケも。

人の手では止められません。

「もうなかったことにして」は通用しません。

④は、たとえば、工場ラインシステムができると、工員の大量の雇用を奪います。

また、古い錬鉄技術は大規模な森林破壊を生みました。

⑥は、一つのイノベーションがほかの発明を次々と誘発する、ということです。

システマティックな電車の運行ダイヤができたら、それにあわせて乗客の移動がスムーズになるように自動改札機ができる、バージョンアップする、などと言った具合です。

ひとつのイノベーションはほかのニーズを生み出し、それがまた新たなイノベーションを生みます。

かようにこの著作を読むと、イノベーションの性質をいろいろと学ぶことができます。

イノベーション爆発の今の時代に適したおもしろい著作でした。

日本企業のイノベーションの特徴

日本企業はもともとイノベーションは低くない

日本企業はアメリカ企業と比べて企業加齢によるイノベーションの減退がかなり著しい

日本企業はコア人材の流動性が乏しい

日本は基礎研究の政府負担が乏しくなってきている

戦後、日本企業のイノベーションは元来、非常に豊かでした。

が、「なぜ急速に退潮してきているのか」について具体的な実証をいろいろと示してくれております。

イノベーションへの向き合い方

自己責任論は非建設的

日本の格差拡大は「高所得化」ではなく、「低所得化」が非常に顕著

日本的雇用による弊害?

格差の「固定化」

最近日本のイノベーション社会の特徴と、「それにどう対応するか」を政府・企業・個人に対して記してくれております。

著者清水洋さんの経歴

1973年、神奈川生まれ。

一橋大学院商学研究科修士

ノースウェスタン大学歴史学研究科修士

アイントホーフェン工科大学フェロー

一橋大学イノベーションセンター教授

などを経て

早稲田大学商学学術院教授。

『ジェネラル・パーパス・テクノロジーのイノベーション:半導体レーザーの技術進化の日米比較』

で、日経・経済図書文化賞と高宮賞受賞。


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