なかなか印象的な回だった・・大河ドラマ「麒麟が来る」第10回レビュー

歴史
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今回も大河ドラマは非常に秀作です。

「西郷どん」と言い、明らかにその地力は蘇ってますね。

そんな『麒麟が来る』節目の第10回レビューをここにしたためます。

今回の織田信長はアスペルガーの本性丸出し

その登場の最初から気になっていたのですが、今回の織田信長はアスペルガー丸出しです。

私的にはこの辺、不満と脱帽、両方あります。

今回の織田信長に対する違和感

そも本来の織田信長はああいった本性(普通の人とは気質が全然違う)はかなり根深くあったかもしれません

よく言われるようにあの方はアスペルガー気質が非常に強いです。

ただ、本物はあれを「なんとか出さないように」していたような。

若いころから「子分」を多く従えておりましたので。

特に日本社会ではアスペルガーのああいう本性を丸出しにすると「なめられやすい」「不安がられる」というのがあります。

ただ、

・喜怒哀楽が非常に激しく、それをあからさまにしてしまう(その反面、普通の人が感情をあらわにする場面で無感情になることがしばしば)

これもアスペルガーに見られやすい特徴のひとつです。

私自身そうです。

ちなみに、本物の信長とて、お父さんの葬式で、焼香をぶちまけてしまうほどの御仁。

ただ、いくらまだ若くても、公然であんな感じが普通だったとは到底思えません。

本物はきっと我慢に我慢に我慢と工夫に工夫に工夫を重ねてらしたんだと思います。

織田信長のすごみはそんなアスペルガー気質濃厚なのに「人の上に立つ」ことを宿命とし、また実際に己に課した人です(こうなると、アスペルガーは普通の人たちとの共感をもとにコミュツールを構築していくのではなく、ゲームのようなon/offでやっていく傾向が強いように思われます。この辺が普通の人には「キワモノ扱い」されるゆえんでもあるのでしょう。そういえば我々の中では「とことん自分を押し殺して」世の中に合わせようとする人も少なくありません。こういった人たちは人知れず大変な疲弊や強迫観念・違和感・不満に苛まれております)。

今回の織田信長の評価点

ただ、今回まったく恐れ入るのは「あそこまでアスペルガーについて表現してきたのか」ということ。

特に今の日本社会では我々人種は全くの意味不明であり、むしろ忌むべき対象ですらあります。

池端俊作さんって、こういう「普通でない人」を表現するのも誠秀逸なのですね。

「漱石の妻」でも素晴らしかったですが、今回はそれをさらにはるかにしのいでもはや堂に入った感です。

よほどアスペルガーに焦点を当て、調べぬいたのだと思います。

ええ、このドラマでも土田御前がおっしゃったように私たちは

時に

「見てはいけない者」

です。

一般的な人情がごっそり欠落し、そんな中で異常に凝り性であり、悪魔にしか見えない時が往々にあるのだと思います。

このドラマでも、平気で松平広忠の首を取ってきて、したり顔でお父さんに見せびらかしておりましたね。

でも本人は至極理にかなったことをしたと信じきっております。

きっと本物の若き織田信長も「誰も認めてくれない」中で「肉親に認められたい」という思いは相当だったと思います。

にしても、今日日普通の大衆作家があんな表現できますか。

池端さんはよくぞ我らの深淵なる闇にあそこまで首を突っ込んでくれました。

作家志望として、「あんなのを書けるのか」「超えていけるのか」という戦慄・畏怖・洗礼・・・。

そして、これは本当に痛切に思うのですが、我々アスペルガーは時に悪魔ですが、実は普通の人ってそれに負けず劣らずの一面があります。

でも、普通の人たちはいつも多数派なので、あまりそういう十字架を追わずに済むというか、負っていても「まぎらわすこと」ができますよね。

あの太平洋戦争ですら、そもそも自分たちが盛り上げたのに、終わってみるとなぜか「被害者」「あのA級戦犯どもが全部悪い」「それはともかく復興しよう」「負けちまえば全部悪者あつかいだな・・」などなど。

私らアスペルガーはそうはいかないのですよ(信長は殺されてますね)。

戦後の公害も、バブルも、パワハラも、失われた20年も、東日本大震災も、たぶん今回のコロナも、みんな当たり前と思ってるけど、そうでないこちらサイドからすると、こちらに負けず劣らずの「かなりの癖」が出ているように思いますよ。

時に織田信長のように「それおかしいだろ」と大胆なことをしてからあの戦国や従来の封建体制の異常さがやっと脚光をあびる。

この歴史には一定のサイクルがあって

閉塞状態を“普通でない者”がぶちこわす→かつての改革者を追いやる→マジョリティにあうように修正される→平穏状態が続く→ひずみがたまり、社会が逼塞する→“普通でない者”が出てくる→

源義経、松永久秀、豊臣秀吉、坂本龍馬、高杉晋作、安藤百福、小泉純一郎、イチロー、ほりえもん、・・・

などはかなりこの手合いに入ってきます(アスペルガーかどうかはわかりませんが、日本文化でよく言われる日常・非日常の“非日常側”です)。

戦国時代に活躍した人と言うのはほかにも上杉謙信などこちらの気質の強い人は多いです。

というか実は明智光秀公自体がかなりこちらよりだと思います。

今回の大河では「なんだかんだ言って常識人」ですが、あの辺はものたりないですね。

まあ、〇HKドラマ主人公なので仕方ないですが。

本当はかなりむらけがあり、革新気質です。

織田信長と異様に気が合ったのもそのためはあったはずです。

私らのような人種は「孤独」を抱えている場合が多いのですよ。

圧倒的マイノリティだから。

信長も秀吉も光秀公も(確かに私はそんな偉い人ではないです。ダメ人間です。が、そういうことを言っているのではありません)、それまで

「分かり合える人がほとんどいない」

「何をやっても社会に馬鹿扱いされる。新しいことを始めたりがんばっても失敗すればよいとすら願われる。うまくいってもなんとしてもばかでかたづけられがち。あるいは天才でかたづけられる。こちらの本質を全然わかってくれない。こっちの苦労・努力は知られない。事実上、いろんな形ではみられ続ける」

をずっと地で生き続けておりますからね。

なので「合う人」が出てくると、やたら反応してしまうのです。

細川忠興もそうかもしれませんね。

にしても、今後このドラマにおける織田信長の扱いは注目です。

「日本国家がマイノリティをどう扱いたいのか」

というのが透けて見えてきますからね。

もうでも今の日本は「マイノリティを黙殺して生き続けるのがかなり困難な世になりつつあるように思えます。

実際、そこらじゅうで外国人が増えてます。

なけなしからの新興起業で成果を出している人も少なくありません。

今の日本の女性の存在の特殊さが相対的に際立ってきております。

そして、このグローバルの世です。

この国はほんの少し前までイノベーション王国だったはずなのに、今はそういった“元”がないがしろにされ、そこから派生した繁栄や便利・住みやすさばかりが脚光を浴びる世の中になっているような気がします。

駒の“あの人”はやっぱり明智光秀の父だった

初回からそうだと思ってました。

でも、それをあれだけの感動シーンに仕立て上げてしまう池端さんの底力に感服しております。

視聴率低迷と言うが恐るるに足りず!

一時期「視聴率低迷」をブーブー言われましたが、私には何の問題もありません。

今回の大河は実際にかなりの秀作であることの疑いようがございません。

いや、回を重ねるごとに素晴らしさが増しております。

現に、歴史ファンに根強い人気があるようです。

あれで視聴率がダメなのなら、もうそれは仕方のないことではないでしょうか。

諦めようが付きます。

「女性ファンに受けが悪い」

という声もあるようですが、煕子様(光秀公の将来の妻)が前回から登場されましたね。

あれで流れが変わるかもしれません。

ここまで本作の女性キャラは濃姫と駒ちゃんがひっぱってきましたが、やはり“恋人”どまりです。

煕子様はであり、ここからさらに「越前時代」がやってきます。

つまり、ホームドラマ的要素が一気に高まります。

「越前時代」は光秀公のどん底時代

もう武将と言うより一介の底辺人です。

そこに密接にかかわる煕子様

一つ屋根の下というおたがい全く逃れられぬ明け透けな環境下での生々しい愛憎(池端さんは若い女性よりも、酸いも甘いもよく知った女性を描かせた方がずっとうまみがあるような気がしますし)。

朝ドラなどでも定番の“苦労夫婦物語”であります。

ほどなくお玉お嬢ちゃん(のちのガラシャ夫人)もお生まれになりますし。

曲者上司朝倉義景(この人にはこの人の確かな人生観・国家観はあったでしょう。ただ運がなかった、時代に合わなかった、という要素は強いです)を筆頭におそらくまるで気の合わない組織朝倉家内でのいざこざも続々でてくるでしょう。

何せ、光秀公は朝倉のだれかに“冤罪”をつかまされて、出てった、というお話すらあるぐらい。

で、後々思いっきり「やりかえす」展開にまでなるのですから、まさに「倍返し!!」さながらのサラリーマン苦闘物語。

歴史にあまり興味がないタイプの男性にも受けが良いかもしれません。

「ああ、そうだそうだ。こういうどうやっても分かり合えない上司がいる」

「戦国も今も、非正規、平、中間、外様の大変さは全然変わらんな・・」

「そうだ!そのままやっちまえ!はっは!」

「煕子って本当にいい奥さんだよな。こんな家族たちのためならがんばろう、って気にも確かになるもんだ」

などと大いなるストレス発散になるかもしれません。

そのままTBSドラマまではしごするのも乙だと思います。

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