私は大好きです!名作コミック「僕らはみんな生きている」紹介

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●「僕らはみんな生きている」(原作・一色伸幸、画・山本直樹)

世にはあまり知られておりませんが、はまる人はどっぷりだと思います。

ものすごい名作であり、20年間私の座右の書であり続けております。

今も昔も、特に俗世というのはある意味どこまでも〇ちがいです(前線に近づくほどに)。

そうでないとやってられません。

あれから無駄に生きてただ思い知ったのはただその再認識だけ、と言うと怒るかもしれませんが、逆に「そうだろう」と思う人ほど本書が向いている可能性があります。

本書は本当に人間の業、特に企業戦士全盛時代のがあまりにありあり。

昔はよかったなんて言われてますがあながちそうも思えません。

私らってあれからどう変わったのでしょう。

なお、本書はちょっとエロいシーンもあります。

苦手な人は注意です。

コミック「僕らはみんな生きている」あらすじ

20世紀末、シャカリキサラリーマンがまだ花だった時代の話です。

超大手ゼネコンに勤める高橋は、東京本社に勤める有望な若手エンジニア。

そんな彼が突然転勤を命じられたのは、ベンガル湾に面した「タルキスタン」なる万年内戦状態の最貧国家。

どうせ、一二週間ほどの足掛けだとたかをくくって、足を降ろしたその先に見たものは……。

表裏が露骨に激しく、何やら背負い込んだ闇の深い○クザみたいな現地直属の上司中井戸。

いったいいつ故国に帰れるともなく「病的な(この作品に出てくる特に在タルキスタン日本人の登場人物はみなこういった傾向をどこかに大なり小なり宿しておりますが)」までに現地の海老養殖事業に没頭している海洋水産会社の井関。

本社のお家騒動の都合で元大手の御曹司でありながら一人現地の一営業員として出向している富田。

など、日本、現地人ともにかなり色の濃いキャラたちが周りをがっちり固め、躍動し、寄ってたかってどんどん泥沼に足を沈めていきます。

辛辣なブラックジョーク、それでいて何か迫ってくる「真実味」。現代の日本人にも十二分に相通じるその矛盾と悲哀と「生きる」ためのという「思い」を味わい尽くしてほしいです。

感想

ところで、うちの父親はリアルにこの時代、エンジニアとしてある紛争国に5年ぐらい勤務しておりました(中井戸が生き写しのようです)。

当時はバブルでして、まあ本当に恥ずかしい話、日本に残された家族と言うのはあんなのでしたよ。

CMでは「亭主元気で留守がいい♩」なんて。

そういえば、あの頃日本は世界で強かったです(なんだかんだ言ってあのコミックの世界でもなかなか幅きかしてますもんね。今の日本はそれどころじゃないでしょう)。

今、時代が下って、日本はまさになけなしのアイデンティティを失い、新たなものを何とか模索しているところです(ある程度予想されていたことではあったのですが、いざそうなると戦慄します。今の若い人にはピンと来ないかもしれませんが、重ね重ねあのころの日本はマジで経済的にすごかったのです)。

しかし、かつての栄光が眩しすぎてなかなかそれを手放しきれずにおります(確かに頑張ったのもあるのですが、あの時代ラッキーがあまりにいろいろ重ねっていたのですよ。歴史ってのは結局必然なんです)。

若い人たちにとってみたらかえってちょっと迷惑な部分もあるでしょう。

私の時代ですら結構そうでした。

その後、私は大学に入ってからたびたび途上国を訪れるようになったのですが、まあ何とも言えない感慨でした。

そして、私がこれを初めて読んだのはちょうど就活の時。

これからこの馬鹿らしいコメディだかトラジディにいよいよぶっこまなきゃなんないのか、と思うと。

まあ全部滑るのですが。

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