
代表的な健康の神様4柱と彼らにまつわる健康法と巡礼聖地を紹介いたします。
ヒポクラテス

(おすすめ健康法:タラソテラピー・乗馬。祀っている場所:京都薬祖神社)
生きたのは前460~前370年ごろ。
古代ギリシャの名医。
「医学の父」
と呼ばれ、今でもアメリカで医者を志す人はヒポクラテスの立てた医者としての”誓い”を医学部で暗記します。
ヒポクラテスの残した名言
「人生は短く、術の道は長い」
ヒポクラテスはそれまでの迷信的な治療法を排し、今では当たり前ですが、環境(季節や暮らしている風土、普段食べるもの、あるいは人間関係や出来事など)による人間の健康への影響に重きを置き、先駆的な著作も残しました。
さらに、「診断」よりも「予後(術後などへの見立て)」を重んじたことで知られております。
タラソテラピー
最近ではタラソテラピーといいまして、
「人間の体液は海の成分と非常に近い」
として海水や海藻、海泥などを利用した美容・健康が脚光を浴びつつあります。
たとえば、
☆海水の浮力を利用した水中運動やマッサージ
☆海藻・海泥を利用したパッキング
自然と調和的で、また、体に無理せずできる、そして、リラクゼーション効果も高いです。

ちなみにこのタラソテラピー。
由来はヒポクラテスといわれております。
乗馬も推奨

また、この人は乗馬が体にいいと推奨していたようです。
京都の薬祖神社
日本の京都にヒポクラテスを祀る「神社」が存在します。
その名は薬祖神社。
朝ドラの
「わろてんか」
でも舞台として取り上げられ話題になりました。
もともと江戸時代ごろ、この神社のあたりには薬の事業関係者がたくさんおりました。
明治に入ると、西洋の薬がたくさん入るようになり、それが「ヒポクラテス」を合祀する起源となりました。
こういった姿勢なので、後に説明する少彦名命(すくなひこなのみこと)も、神農(しんのう)さんも、当然合祀されております。
アクセスとしては京都御所のほんのちょっと南です。
少彦名命

(おすすめ健康法:湯治。祀っている場所:沙沙貴神社)
少彦名命は出雲の大国主命(おおくにぬしのみこと)とともに建国に励んだ神様です。
医薬・造酒などいろんな技術を人々に伝えてくれた

医薬や造酒のやり方などを人々に伝え、その身の丈が一寸(約3cm)、蛾の羽を衣として纏い、ガガイモの実を割ったものを舟として、海原の彼方からやってきたと伝わり、一寸法師のモデルともいわれております。
温泉の神でもある

また、温泉の神としても信仰されており、なんでも大国主命(おおくにぬしのみこと)とともに国づくりに励んでいた時に、体の具合が突然悪くなってしまい、心配した大国主命に道後温泉の湯につけてもらうとまたたくまに元気を取り戻し、石の上で踊った、といわれます。
沙沙貴神社
この神様を拝むなら少彦名命を氏神としてまつる滋賀県近江八幡市安土町の沙沙貴(ささき)神社がおすすめ!
全国の佐々木一族(近江源氏とよばれる地元を代表する名門)の守り神でもありますので、そのご子孫の方々はぜひ!
安土城や観音寺城も割と近くにありますよ。
神農
(おすすめ健康法:ショウガ。祀っている場所:湯島聖堂、堺薬祖神社)
神農さんは中国の建国神話に登場する神様です。
三皇五帝のうちの一柱。
「炎帝」とも、「薬王大帝」とも呼ばれております。
中華に農業を広めた自己犠牲の神様

この人は人々に農具の伝い方や、五穀の育て方を教え、中華に農業を広めてくれました。
さらに、「何が食べれて、何が食べれないか、を”自分の体”で確かめる」というものすごい自己犠牲の荒業もやってのけ、最後には腸がちぎれて亡くなった、と言われます。
ショウガ

こうした影響からでしょうか、ショウガという万能の薬効食品。
あれは神農さんが由来だといわれているのです。
ショウガは漢字だと生姜ですよね。
あの姜というのは神農さんの姓だというのです。
ショウガをあなどってはなりませんよ。
古来中国でもインドでもヨーロッパでもアメリカでもそのたぐいまれな薬効に注目が集まっておりました。
イギリスではペストがはやった時に、あのヘンリー8世(※)がその予防のためにショウガを推奨したようです。
(※)次から次へと人々を「ロンドン塔」に放り込んでしまう稀代の暴君として有名です
今だって「風邪予防、冷え性対策、血行促進、ダイエット」などなどそれはそれは多種多様に大きな効果をもたらしております。
紅茶やお茶に少し入れたり、料理の隠し味に使ったり、ほんのちょっとの用途で……。
ただ、取りすぎには注意!
下痢や腹痛の原因。
妊婦さんへの悪影響にもなります。
個人差はあるでしょうが、一人一日生食で5~10g程度。
5gでスライス6、7枚。
すりおろしで小さじ1ぱいぐらい。
を目安としてください。
湯島聖堂と堺の薬祖神社
なお、神農さんを祀っているところは東京なら湯島聖堂(JR御茶ノ水駅から徒歩3分)。
大阪なら堺の薬祖神社(南海堺駅または堺東駅から徒歩10分。阪堺大小路駅から徒歩3分)がおすすめです。
これらでは、毎年11月23日に神農さんのお祭りが開かれております。
薬師如来
(おすすめ健康法:釈迦式呼吸法。祀っている場所:薬師寺)
仏様の中でも特に医薬専門的にご利益があるのが、薬師如来。
別名「大医王」「医王善逝(いおうぜんぜい)」とも呼ばれます。
薬師如来像の左手に持たれているのは薬壺。
お釈迦様式呼吸法

おすすめ健康法はお薬師さんご本人由来のものではございませんが、お釈迦様が説いたお釈迦様式呼吸法。
丹田呼吸法とも呼ばれ、一般的にお坊さんが修行して体得しているものだといわれております。
とにかく、なが~~く、ふか~~い呼吸。
初めてやり始めると、いかに普段の自分が短く、浅い呼吸をしていたかがわかります。
呼吸にしっかり意識を集中させ、体いっぱいで呼吸する。
心が落ち着き、体も血行が良くなり、整います。
お釈迦さんはもともと”悟り”を得るため”苦行”に邁進していたのですが、
「これはダメだ」
とさっぱりやめにしてしまいます。
その時の”苦行”には「絶息」といって息を止めるものもあったとか。
それでは脳にも体にも酸素が回りません。
打たれ強くはなるかもしれませんが。
お釈迦さんは”瞑想”中心のやり方に変え、呼吸法も入れ替えました。
確かにお釈迦さまご本人も含めお坊さんには健康で長生きな方は多い印象です。
手軽にやれる健康法です。
もちろん、継続するのが大変なのですが。
最近
●カリカリする(心が静まります)
●集中力が……(覚醒してきます)
という方は試しに始めてみてもよいかもしれません。
確かに一定の効果はあるように私も感じられます。
奈良薬師寺
近鉄西ノ京駅下車すぐです。