中国鉄道旅の醍醐味と、わが一押し路線「上海-烏魯木斉」の名所紹介

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バックパッカーとして中国の深みを存分に味わえるもの」

なら、私は列車の旅を上げます。

不特定多数の人たちと寝食をともにできますからね。

そして、その区画に一つのコミュニティが形成されやすいです。

俳優の関口知宏さんが10年ほど前におっしゃったこのような言葉。

「これを味わえるのは今のうちだけかもしれません」

特に当時の中国の急発展は依然すさまじいものがあり、全土で目まぐるしく変化しようとしている最中でした。

じゃ、いったい関口さんにこう言わしめたものって、そこまで人間の心の深くにまで届いたものって、いったい何だったのでしょう?

そして、もうひとつ。

あの広い広い中華大陸には無数の鉄道路線が存在します。

「その中でも一番」と推したいのはここ。

上海-烏魯木斉(ウルムチ)

その見どころを紹介します。

関口知宏さんはなぜあのようにおっしゃったのか?

関口知宏さんは2007年、「中国全国の鉄路を一筆書きで乗りつくす」という主旨のTV企画に参加してらっしゃいました。

で、それから数年後、また同局の「中国の春節列車」をクローズアップした番組にゲスト出演されます。

そのドキュメンタリーVTRの中で、ある出稼ぎの夫婦が、待ちに待った故郷への帰りの切符を不慮になくしてしまいます。

中国は世界でも特に官僚主義の強いお国柄です。

普通ならこういうケースは有無を言わさず門前払いになります。

が、その時に応じていたある女性鉄道服務員がこう言い、傍観のスタジオは一時騒然となりました。

「いいよ、乗りなさい。春節だから」

もう、こういう人情と出くわすのは最近の日本では難しくなってきておりますからね。

ただ、中国を経験された方なら、この機微がわかると思います。

実は中国、ものすごい人情の国です。

特にそれが存分に詰まっているのが、まさに「鉄道」。

あれを知ると、本当にもう中国から離れられなくなります。

私は思います。

中国を旅するなら、確かにその大いなる自然や遺跡はすばらしいです。

でも、本当に一番は“それ”なんじゃないか、って。

こういう人には中国の列車旅は向いているかも

我々人類の歴史は「どんどん便利に」「どんどん豊かに」。

ですが、私らは結局人間です。

もともと全然便利でなく、物質的に豊かでもないところで何万年も当たり前に生き続けてきました。

だから、“躍動”を知っているのです。

その“躍動”を求めてやまない人にとって中国の列車旅はかけがえのない光明となる可能性があります。

中国人の人情は独特、すごい

一見はとっつきづらいかもしれない

私たちからして、「中国人はなかなかとっつきづらい」と、感じる可能性があります。

少なくとも私がよく訪れていたころ(20年ほど前)の中国では他人に無愛想が当たり前。

また、非常にマイペース。

たとえば、お店の人が自分の思い通りに動かないお客に対して「こうしろ!」とズケリと注意してきたり。

鉄道の切符窓口でも、1時間ぐらい長蛇の列に並んでやっと窓口にたどり着いたお客の注文の仕方が「たるい」と、何も売らずに「もういい、わからん。あっちいけ」と指で指図したり(私も一回これを食らい、何としても食い下がりました)。

ただ、彼らはひとたび“受け入れる”と、劇的に変わる傾向です。

彼らは独特の“人づきあい術”に練達しております。

独特のおもてなし精神

また、彼らの「客人を徹底的にもてなす」という精神に驚きいります。

これも、私らの「おもてなし精神」とはまたちょっとちがうように感じられます。

「相手が(感じのいい)外国人だ」とわかると、あれもこれもそれも、となんでも世話を焼いてくれる、そういう感じです(中国の人付き合いで、スマイルは重要だと思います)。

たとえば、何も頼んでいないのに

・食糧やたばこなどいろいろ分けてくれたり

・「安心しろ。お前が寝ている間、私がお前のカバンを見張っておいてやる」と声をかけてくれたり

・風邪を引いた時の世話をいろいろ焼いてくれたり

・深夜に私の目当ての駅が近づくと起こしてくれたり

などなどなど。

独特の温かみです。

実際かように遇され、かえって恐縮すら催してしまう人は多いです。

言葉はどうするの?

私は中国語は超基礎的な文法と単語を読み書きできるだけ。

ただ、中国の場合、筆談が通用します。

漢字なのでおたがい大体何となく通じあえるのですね(ハンディサイズの日中辞典があるとよりやりやすいです)。

ちなみに私はこの筆談というやつがとても好きです。

自分の思ったことをそのままあられもなく伝えるのではなく、一度そこに「これでいいのかな」と推敲を加える。

それはまた相手も同じ。

おたがい「いろいろ思案しながら何かを伝えよう」というのを目の前でさらしあいます。

そして、あの静かなやり取り、間。

もちろん、「いざ意思表明」の前は、おたがいの邦人同士でわいわい相談しあったり。

そういった触れ合いもまた醍醐味です。

ちなみに、最近はこういった便利アイテムが開発され、海外旅行者・赴任者・留学者などの間で人気のよう(深夜のTV通販でもよく放送されております)。


お互い口を近づけると、自動翻訳してくれるパターンです。

世界中のかなりの言語を網羅しております。

そして、ここが大きなポイント。

スマホよりバッテリーがだいぶ長持ちします。

また、辞書のように重くかさばることもありません

ただ中国なら、私は筆談のあのうまみが忘れられません。

旅に重宝するのはこれ

トランプ

言葉なしで通じ合える万国共通の遊びツールです。

すぐ仲良くなるにはうってつけ。

しかも、超手軽。

大富豪(ド貧民)をたびたびやりました。

また、向こうで買っちゃうのもありです。

私は三国志トランプを買いました。

中国の列車旅の等級は?

中国の列車は日本とはいささか勝手が違います。

まず、中国独特の列車の等級についておさえておきましょう。

これは中国鉄旅の基本。

あなたが何を望むか、によって使い方が全然異なってきます。

中国では伝統的にこの4ランクに区分けされます。

軟臥……ランク高めの寝台

硬臥……軟臥には劣るが、わりと居心地の良い寝台

軟座……基本的に近距離線のみ。ランク高めの座席。

硬座……ふつうの座席

ふつうに車内泊する旅なら硬臥はわりと無難です。

料金は割と手ごろですし、車内の乗り心地はなかなか快適です。

日本で言うと、普通の寝台特急ぐらいの感じです。

が、「一番の醍醐味は度の等級なんだ?」と言われれば、私は迷わず答えます。

硬座です。

あれが中国人民の圧倒的大多数の等身大のリアルであり、普段の日本の暮らしではなかなか味わえない熱気・活気・臭気・喧噪などがつまっております。

いわゆる“それ”です。

中国鉄道旅の食

中国の列車旅で食にありつくにはおもにこの3パターン。

  1. 食堂車
  2. 荷車を押して弁当などを売りに来る鉄道服務員から買う
  3. 駅で待ち構える売り子から買う

割安なのが②③。

そして、個人的に美味いと思うのも②③。

③なんて“ご当地の旬”に出くわすチャンスでもあります。

で、②の弁当選びなのですが、ここにひとつのヒントがあります。

「周りのお客が買っているかどうかを見極める」です。

やっぱり何が美味いのかは現地の人が良く知っております。

なので、それに従えばまず間違えません。

実際、私は“初めて”の時、何も知らずに魚料理を頼んだら、“泥味があまりに濃厚”。

情けないことに完食すら不能で、結構ショックを受けました。

で、私と同席していた日本人の方が「周りを見た方がいいかもね。ほら、その弁当、周りのほとんどが買ってなかったよ」。

言われて納得。

それから、その方の言う通り、みんなが買いたがる弁当を買うと、やっぱり美味かった。

私の思い出の味は「ニンニクの芽のチャーハン」。

美味すぎて3~4食はその列車内で口にしました。

上海~烏魯木斉(ウルムチ)鉄道旅の醍醐味

広大な中国大陸を南北に貫くのが北京~広州路線だとすると、東西はやっぱり上海~烏魯木斉(ウルムチ)

総行程は優に3,000kmを越え、まさに日本列島を縦断するほどの距離です。

で、「何がいいのか」と言って、その鮮やかすぎる車窓の風景の移り変わりです。

華中の上海はもろに稲作圏

そんな潤沢な水田風景から徐々に乾燥してゆき、陝西省あたりになるとあからさまに小麦の畑作圏となります。

見にくくて申し訳ないですが、赤い四角の中に砦跡があるのがわかるでしょうか。この辺りの車窓からはこういったものを次々と目に収められます。
陝西の麦畑

さらにそこからはもっと劇的です。

緑はみるみると軒並み低く、疎らとなってゆきます。

川端康成が「トンネルを越えると、そこは雪国だった」とおっしゃっておりますが、この鉄路だと「暁光とともに次第に浮かび上がる光景は見渡す限りのゴビ灘だった」です。

たびたび見にくくて申し訳ございません。武威-張掖辺り。赤い四角の中は万里の長城です。有名な八達嶺などとちがって土で版築しただけの超簡素。でも、こちらならではの味わいがあります。

この辺だと、羊の群れが線路を横断すると、電車もそれに合わせて停まります。

この牧歌的なのがたまりません。

やっぱ移動を“味わう”なら、高速より下道、新幹線より寝台特急です。

ちなみにこの全行程一気通貫は順調にいけば2泊3日です。

上海~烏魯木斉(ウルムチ)名所めぐり

上海-烏魯木斉路線図

上海

・東方明珠塔(極彩色のイルミネーションは上海繁栄の象徴です)

・外灘

・和平飯店(夜のジャズ演奏で有名です)

和平飯店付近の夜景。この辺りはむかしの列強租界地のころの風情が色濃く残っております。

・豫園(傍らで売る小籠包がすばらしく美味です)

・豫園市場

・上海雑技団

蘇州

鉄道なら上海から1時間ほどです。

・水郷(東洋のベニスと言われております)

南京

三国時代の呉、朱元璋が建てた明初期、孫文が建てた中華民国などの首都です。

・明孝陵(明高祖朱元璋と奥さん馬皇后の墓。明は権威的なのが大好きなのででかいです)

開封

開封は北宋の首都でした。

さすがに、武官の専横を排除し、また民衆経済力とともに繁栄した王都だけあって、全体的に優美で親しみやすい雰囲気が残っております。

洛陽

東周、後漢などが首都とした古代中国史ファン垂涎の地です。関羽のお墓もあります。私はそこでタバコを吸うと、すぐに下痢気味になってしまいました。

・竜門石窟(中国三大石窟の1つです。黄河沿いにあります)

・少林寺(少林寺拳法で有名です)

潼関

潼関は馬超・韓遂が曹操と戦った三国志の要地です。

・潼関古城

西安

西安は今でも立派な城壁に四囲された城市です

西周、前漢、唐などが都としました。

日本では阿倍仲麻呂や吉備真備など天平の遣唐使たちともゆかりが深いです。

また、近代では国共合作が促された西安事変が起こりました。

・華清池(玄宗皇帝と楊貴妃の夢の跡です)

・大雁塔(玄奘三蔵が天竺から持ち帰った経典や仏像を保管するために建立をお願いした仏塔です)

早朝の大雁塔

・小雁塔(「大雁塔もいいけど、こっちもいいよ」と評判です)

・西安城壁(街を囲む城壁が残ってます。かっこいいです)

咸陽

咸陽は今「キングダム」でおなじみの秦の“黒の”国都です(※)。

(※)秦国は黒を神聖視しておりました。

鉄道なら西安からは10分ほどで付きます。

・兵馬俑、始皇帝陵(始皇帝の夢の跡です)

蘭州

黄河沿いに開けた街です。ラーメンの名所。最近は日本でも知られるようになってきました。

嘉峪関

万里の長城の西端です。

その偉観は鉄道の車窓からでも十分見えます。

ていうか、実はここがなかなかのナイスビューポイントです。

高い目からバシッと全景をとらえられますので。

鉄道なら酒泉から10分ほどです。

柳園

世界遺産莫高窟への最寄駅です。

吐魯藩(トルファン)

豊饒なオアシス都市国家高昌国の都がありました。

今はトルコ系のウィグル人がたくさん住んでらっしゃいます。

夏は葡萄溝の下で民族舞楽を堪能できます。

また、この辺りは夜空の星々がバツグンにきれいで有名、大変に幻想的です。

・ベゼクリク千仏洞

・高昌故城

・交河故城

交河故城から見下ろす。ここは3方険しい河崖を背にした天然の要害です

・火焔山(『西遊記』の牛魔王の根城のモデルになりました。確かに真夏に遠目から見るとカゲロウに揺れて燃え盛っているようです)

・蘇公塔(イスラム系の美しい尖塔です)

烏魯木斉(ウルムチ)

新疆ウィグル自治区の省都です。砂漠のただなかにある200万都市です。

・南山牧場

・天池

(日本-中国入出国ならおすすめ。日中間のフェリー便についての特集記事はこちら

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